知っておくべき!不動産売買契約の『基礎知識』

 

売主と買主で契約条件について合意したら、売買契約を締結します。一旦契約を結ぶと簡単には解除することはできません。そのため、事前にしっかりと契約内容を理解して確認することがとても大切です。契約は、最終的に自己責任で締結するということを理解しておきましょう。

 

今回は売買契約を結ぶにあたって、売買契約基礎知識についてご説明いたします。

 

売買契約の基本的な考え方とは

契約内容は、法令に違反することや公序良俗に反することなどの問題がない限りは自由になります。そのため、契約は原則、自己責任で締結することになります。そのため、消費者が不利益を一方的に被るような契約とならないように一定の法整備がなされています。

しかし、すべてを網羅できるわけではありません。最終的にはしっかりと契約内容を理解し、自己責任で契約に臨むことがとても重要です。

また、契約に定めがない事項は、民法やその他の関係法令に従い、話し合いの上で決定することになります。そのため、不明確な契約条件があると、契約後のトラブルにつながる可能性がありますので注意しましょう。

 

事業者と消費者との契約の場合、情報や交渉力等の差があることから消費者契約法の適用があります。消費者契約法では、消費者保護を目的とした特別な契約における決まり事が定められており、不動産売買契約にも関係します。

例えば、消費者が間違って認識した場合には契約をキャンセルすることができるほか、消費者にとって不利益な条件の場合、契約が無効になるなどの規定が定められています。

なお、消費者契約法における消費者とは、個人を指します。また、個人が事業以外の目的で結ぶ契約が対象となりますので、事業のための契約の場合は消費者契約法の保護対象にはなりません。

このように、消費者契約法の適用が不動産売買の際にも適用されることを理解しておきましょう。

 

 

手付金とは

不動産売買契約では、一般的に契約締結の際に「手付金」を買主が売主に支払うことになります。

手付金の種類は、証約手付・解約手付・違約手付の3種類あります。

 

① 証約手付

契約締結を証することを目的として授受される手付。

 

② 解約手付

売主は既に受け取った手付金の倍額を買主に返すことにより売買契約を解除することができる手付。

買主は既に支払った手付金を放棄することにより売買契約を解除することができる手付。

 

③ 違約手付

当事者に契約違反があった場合、損害賠償とは別に罰として支払う、または倍額を支払うという趣旨の手付。

 

一般的には不動産売買契約の場合、解約手付として授受されます。また、民法では手付金の性質について、特段の定めがない場合、解約手付と推定するとされています。

しかし、解約手付による契約解除が適用されるのは、相手方が履行に着手するまでとなりますので、すでに相手方が契約に定められた契約事項を行っている場合には、手付けによるキャンセルはできません。

しかし、手付解除において、相手方が履行に着手しているかどうかをめぐってトラブルになることが多々あります。そのため、手付解除できる期間をはっきり「契約日から〇日以内」などと限定することもあります。

 

 

契約後、簡単にキャンセルできない

不動産売買のようにとても大きな取引は、売主と買主の信頼関係の上に成り立つものになります。そのため、一般的には、いったん契約を結ぶと一方の都合で簡単に契約をキャンセルすることはできません。契約の解除には、次のようなものがあります。

 

① 手付解除

相手方が契約の履行に着手するまでは、手付金の倍返し、または放棄により契約解除が可能。

 

② 危惧負担による解除

天災により物件が毀損した場合、過大な修復費用がかかるとき、無条件で売主は契約解除が可能。

 

③ 契約違反による解除

売主または買主のどちらかが契約違反をした場合、違約金等の支払いにより契約解除が可能。

 

④ 契約不適合責任による解除

物件が契約内容に適合せず、その不適合が軽微でない場合、買主は契約解除が可能。

 

⑤ 特約による解除

特約の内容により解除が可能。例えば、ローン特約の場合、住宅ローンが受けられなかった場合は、買主は無条件で契約解除が可能。

 

⑥ 合意による解除

売主と買主の合意に基づく条件で解除可能。

 

 

契約不適合責任とは

雨漏りや白アリによる腐食などのような物件の欠陥のことを瑕疵と言い、このようなことについての売主の責任を瑕疵担保責任と言っていました。

しかし、令和2年4月に施行された民法改正により内容が変わりました。

 

まず、売主には契約の内容に適合した物件を引き渡す義務がある前提で、適合しない物件を引き渡した際は、売主の債務不履行責任になります。

このような時には、買主は、その補修請求、または減額請求ができます。そして、売主に何らの責任がある場合は損害賠償請求もできます。

契約解除は、その不適合が軽微な場合はできないことになります。

 

契約不適合責任を負う期間は、民法では長期間責任を売主が負うのは酷と考え、またできるだけ紛争を早期に解決することが適切として、その不適合を知った時から1年以内に売主に知らせなければいけないとしています。

 

この民法の規定は任意規定と言って、任意に売主が責任を負う範囲を限定したり、期間を短縮するなどの変更や修正が可能です。

 

また、宅地建物取引業者や事業者が売主の場合は、買主に不利な特約は無効とされています。

 

 

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