不動産業界には、開発、売買、賃貸、管理などそれぞれの分野でビジネスモデルはたくさん存在しています。その中でも、管理といえば不動産を管理するエキスパートです。そして、その管理の中にも入居者を管理するのか、建物を管理するのかなど実にさまざまです。
今回はその一つであるPM事業(プロパティマネジメント)について詳しくお話します。
テナントPMとは
PM事業(プロパティマネジメント)とは店舗物件オーナーの代わりに専用スタッフ(プロパティマネージャー)が、所有する個別収益不動産の資産価値を最大限に高め運用を行うことを目的とした業務です。
プロパティマネージャーは、現実に不動産の管理運営を行い、キャッシュフローを安定させ、不動産投資の採算性を確保するための専門家です。
具体的には、ビルやマンションなどの警備・清掃・メンテナンスを行う「建物総合管理」、また入居者(テナント)の誘致・賃料請求及び回収、賃貸借契約の代行、クレーム対応などが主な「運営管理業」などオーナーの経営代行を行います。
そして、オーナーに対しては業務報告、資産運用のアドバイスやキャッシュフローの最大化、収益拡大とコスト削減の両面から、具体的な修繕計画などを提案します。
PM事業の始まり
1980年代、都心部のオフィスビルは稼働率が高く、不動産投資家の関心は保有面積の拡大に向いており、マネジメントにはあまり関心がありませんでした。
1990年に入りバブル崩壊とともに、オフィスビルにも多くの空室が発生して賃料も劇的に下がりました。これがきっかけでビル事業者はコスト削減やテナントへのサービスの重要性に気づき、マネジメント的な観点から専門知識を必要とするプロパティマネジメントを導入して運営・管理をすることが必要不可欠であると強く認識し始めました。
2000年頃からは、不動産業界の代表的な会社がプロパティマネジメントに本格的に取り組み始めました。
つまり、まだ始まったばかりの業務であるといえます。
PM事業が入っているメリット
ビルオーナーがPM事業を導入することにより、ビルの清掃・警備・害虫駆除・運転・定期点検・保守・修繕業務などの日常的なメンテナンスが行き届いているため、良い職場環境を実現してくれるというメリットがテナント入居者にとっても感じられます。
オフィスビル関係者相関図

オフィスビル関係者相関図からもわかるように、不動産業界の内容はそれぞれの分野で細分化され、ビジネスモデルはたくさん存在しています。
その中でもここ10年で特に需要が伸びているのが不動産管理事業です。
PMの役割
プロパティマネージャーは、オーナーの立場になり不動産から得られる収益を最大限に高めるために運営戦略を提案する役割があります。
不動産に関する現実の賃貸管理や運営など、ソフト面とハード面において高いレベルの業務を行います。
- リーシングマネジメント業務
空室時のテナント誘致、物件の稼働率を上げることを目指す。賃貸借契約の締結。リーシングを有利に進めるための提案を行う。
- テナント管理業務
テナントの入退去から毎月の請求・支払い業務。各種設備の点検・修理など。入居テナントからのご要望、クレームなどに対する対応を行う窓口。
- ビルディングマネジメント業務
ビルオーナーや不動産投資家に代わり、現場清掃、警備、管理人業務、設備の管理・点検、巡回見回り、美観管理など、主にモノを対象にしたハード面の建物管理業務を請け負う。また、PMの仕事の一つである、リーシング業務、仲介業務、コスト管理業務などソフト面のサービス業務を行う会社も存在する。
- コンストラクションマネジメント業務
コンストラクションマネージャーが技術的な中立性を保ちつつ、発注者側に立って、設計の検討、工事発注方式の検討、工程管理、品質やコスト管理などを行う。
BMとPMの違いとは
プロパティマネジメント(PM)の一つである、工事業者の手配にはビルディングマネジメント(BM)のノウハウが生かされる場合があります。
そのためBM部門を社内に置き、PM・BM両方行う会社も存在します。
報酬について、BM会社は巡回や清掃・警備などの定型業務を固定費で請け負う一方、PM会社は管理しているテナントが生み出す収益に連動して受け取る場合がほとんどです。
そのため、その業務に取り組む姿勢はBM会社とは異なりPM会社の方が収益を増やすために最大限に努力してくれるでしょう。
その他不動産管理委託に不可欠なAM、FMとは
- アセットマネジメント(AM)
テナントオーナーや投資家に代行して、資産(アセット)を効率よく運用する業務を行う。プロパティマネジメント会社(PM)からの報告を受けて、投資の状況を把握する。
- ファシリティマネジメント(FM)
テナントオーナーや投資家の保有資産(土地・建物・設備など)の運用管理について計画性をもって取り組み、最適な状態で総合的に管理を行う。さらに、経営的な視点から長期的な視野と綿密な計画性でもって運営・管理し、企業活動の成長に貢献する。具体的には、空き家を民泊として活用することなどが挙げられます。
これからのテナントPM
企業はもとより、学校、公共施設などの中にはバブル時代に多額のコストをかけて建設されながら、有効活用できずに必要なくなった施設がたくさん存在しています。環境問題、省エネルギーなどの改善するべき問題が多く残っている現状です。
これらの施設が経営を圧迫しているため、まだまだ改善が必要です。従来型の現状維持保全を中心とした管理のままでは立ち行かなくなってきています。
企業や公共施設の管理のために、今回紹介した不動産管理事業であるPM、BM、AM、FMは今後さらに必要不可欠な存在になっていくことでしょう。
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