リーシングマネジメントとは?専任媒介との違いは?基本からその実践方法まで詳しく解説

オフィスビルや商業施設などの賃貸物件を運営していくうえで欠かせないのが「リーシングマネジメント(Leasing Management)」です。
特に昨今のように市場の動きが早く、テナントニーズが変化する環境下では、空室対策や収益向上のカギを握る重要な業務となっています。

この記事では、リーシングマネジメントの基本から、具体的な実践方法までを丁寧に解説します。

リーシングマネジメントとは

リーシングマネジメントとは、簡単に言えば不動産物件にテナントを誘致し、安定した収益を確保するための活動全般を指します。

主な目的は以下の通りです:

  • 空室を早期に埋めること(空室損失の最小化)
  • 適正な賃料水準の維持または向上
  • テナント満足度の向上 → 長期入居の実現

物件を単に「貸す」だけでなく、収益を最大化する視点で戦略的に貸すという姿勢が求められます。

リーシングマネジメント(テナント誘致)の作業内容

リーシングマネジメントにおけるテナント誘致の活動内容は、多岐にわたります。具体的な内容は以下の通りです。

1. マーケット調査・競合分析

  • 周辺物件の賃料水準、設備グレード、稼働状況を調査
  • テナントターゲット(業種・規模)を具体的に設定

2. リーシング戦略の立案

  • 賃料設定、フリーレント、キャンペーンなどの条件設計
  • フェーズとスケジュールを設定
  • セットアップオフィス導入など商品企画も含む

3. プロモーション活動の企画・実施

  • 仲介会社向けの営業活動(募集図面・物件紹介メール)
  • ポータルサイト掲載、SNSやデジタル広告の活用

4. テナント対応・交渉

  • 内見対応、条件交渉、契約締結までのサポート

■ 成功するリーシングマネジメントのポイント

✅ ターゲットに合わせた商品設計

単に空いているスペースを貸し出すのではなく、「どのようなテナントが想定されるか?」を考え、賃貸条件やセットアップ化の有無などを最適化することが重要です。

✅ 仲介会社との密な連携

テナント誘致の主力となるのは仲介会社です。現場での声を拾いながら、紹介しやすい資料・条件・物件状態を整えることが効果的です。

✅ 情報発信とスピード感

良い物件でも知られなければ意味がありません。最近では、物件専用LP(ランディングページ)、動画、SNS広告などを活用する企業も増えています。

リーシングマネジメントと専任媒介の違いは?

リーシングマネジメント」と「専任媒介」はどちらも空室を埋める活動に関係する言葉ですが、役割や立場が異なります。

専任媒介は、オーナーが物件の募集を1社の仲介会社にのみ依頼する契約形態のことです。
通常は「専任媒介契約書」を交わし、一定期間(例:3ヶ月)は他の仲介会社に直接依頼できないことになります。

役割は、仲介会社に対しての募集窓口となることです。レインズやアットホームなどへ掲載することで、仲介会社からの問合せを待つスタイルです。

一方、リーシングマネジメントはオーナー視点での戦略を考え、実行するところです。

レインズなどに掲載するだけでなく、仲介業者やテナントへ積極的に空室を案内し、紹介の促進依頼を行います。

■ 最近のトレンド:セットアップオフィスや短期契約への対応

特に都心部では、内装付きオフィス(セットアップオフィス)の需要が高まっており、リーシングマネジメントにおいても「完成イメージの提示」「早期入居可能」を武器にした差別化がカギになります。

また、コロナ以降は柔軟な契約条件(短期解約など)も求められるケースが増えており、こうしたニーズを事前に見越した戦略立案が重要です。

■ リーシングマネジメントは“攻めの運営”

リーシングマネジメントは、単なる「空室を埋める作業」ではなく、建物の収益力を高めるための“攻め”の運営活動です。

マーケットの動きに応じて柔軟に戦略をアップデートし、テナントにとって「ここで働きたい」と思わせる価値を提供していくこと。それが、これからの不動産運用におけるリーシングマネジメントの本質と言えるでしょう。

スリースターの「リーシングコンサルティングサービス」

弊社では、オフィスビルのオーナー様向けに「リーシングコンサルティングサービス」というサービスを提供しています。このサービスは、弊社が運営するセットアップオフィス専門検索サイト「RAKNA(ラクナ)」と連携しており、ビルの空室率を劇的に改善するための包括的なソリューションを提供します。

従来は、空室を抱えているビルが持つ特徴を生かしてテナント誘致活動を行うだけのリーシング方法が一般的でしたが、「リーシングコンサルティングサービス」で提案するのは【セットアップオフィス化】+【テナントのニーズに合わせたテナント誘致】です。

セットアップオフィスとは?
貸主側で内装工事を行い、場合によってはデスクや椅子などの家具を設置するオフィス形態です。これにより、テナントの作業コストや初期費用を大幅に削減し、入居時の負担を軽減します。

セットアップオフィス化に伴う内装工事費用や家具の購入費用は、賃料に上乗せして長期的に回収します。

そのため、入居するテナントは一般的なオフィスよりも賃料が高くなりますが、成長過程にあるベンチャー企業などは、数年で再度移転する可能性が高いため、「初期費用を抑えられ、資産を持つ必要がない」という点でセットアップオフィスを選ぶことが多く、実際に成約率も年々向上しています。

また、内装工事費用の捻出が難しいオーナー様向けのプランも別途ございますので、以下よりお気軽にご相談ください。

まとめ

リーシングマネジメントは、オフィスビルのオーナー様にとって、テナント誘致や管理業務を円滑に進めるための不可欠です。業務は、計画立案からマーケティングなどいろいろな戦略があり、物件によってとるべき手法は異なります。従来の方法では対応しきれない企業のニーズや市場の変化に柔軟に対応し、空室を埋めるだけでなく、テナントの満足度を高めることで安定した運営を実現します。

弊社の提供するリーシングマネジメントサービス「リーシングコンサルティング」は、空室にお困りのビルの貸室をセットアップオフィスにし、テナント側のニーズにあわせてオフィスをつくっていくことで、ビルの空室率を劇的に改善します。専門チームによるマーケティング戦略やターゲットテナントへの直接アプローチ、契約交渉のサポートなど、包括的なサービスを通じて、オーナー様の資産価値を最大限に引き出します。

また、内装工事費用の捻出が難しいオーナー様向けの柔軟なプランもご用意しています。空室を抱えているオーナー様はぜひ一度、以下より詳細をご確認ください。

この記事を書いた人

福田勇人

オフィス仲介歴20年以上、オフィス不動産に関する専門家です。2002年に新卒でオフィス仲介会社に入社し、オフィス物件の仲介に携わりました。その後、2012年にスリースターに入社し、仲介営業としての経験を積んでまいりました。現在は広報やマーケティングを担当し、オフィス不動産における情報を提供し、お客様に最適なソリューションを提案する役割を果たしています。