東京駅周辺のオフィスビル再開発プロジェクト

東京駅周辺のオフィスビル再開発プロジェクト
目次

1. はじめに

東京都心部では超高層ビルの建設を中心にした大型再開発が相次いでいます。東京オリンピック・パラリンピックの先も視野に入れた「国際競争力を取り戻す」という使命感を帯びた長期的なプロジェクトで、東京駅周辺や渋谷、虎ノ門といった主要エリアの開発を手がけるデベロッパー間の競争も激しさを増しています。
ここでは国際都市東京の陸の玄関口である「東京駅」周辺で、現在進行中の再開発をご紹介いたします。

2. 八重洲口エリアでは3つの国家戦略特区プロジェクト

八重洲再開発プロジェクト

東京駅八重洲口の駅前では、八重洲一丁目で1つ、二丁目で2つ、合計3つの大規模再開発計画が進行中です。
各計画は連携して進められており、駅前から八重洲通りにかけて点在するバス乗り場を各再開発ビルの地下に集約する『大型バスターミナル』を整備し、地下街を通じて東京駅とつなげ鉄道と乗り換えやすくし、東京五輪を控え外国人や地方からの観光客の利便性を高めます。また、3計画合計約2万㎡のバスターミナルには国際空港直行バス、主要都市を結ぶ直行バス(10路線以上)の発着も計画されており、空港の24時間化に対応したラウンジ等の整備、多言語案内等による利便性の向上も計画されています。
3つの計画は、A計画(八重洲二丁目1地区)、B計画(八重洲一丁目6地区)、C計画(八重洲二丁目中地区)として進められていますが、それぞれ役割分担と機能連携により、国際的な活動に必要な都市機能を整備します。
A計画にはビジネス支援・交流施設(一時使用が可能なテンポラリーオフィス等)、短期滞在施設(国際水準のホテル)、B計画には国際医療施設(多言語対応の医療施設)、ビジネス交流施設(カンファレンス)、C計画には外国人子女の教育施設(インターナショナルスクール)、中長期滞在施設(サービスアパートメント)を整備し、A・B計画では日本橋のライフサイエンスビジネス拠点と連携したビジネス交流・サポート施設を、C計画ではビジネスワーカーの生活機能を整備します。3計画は連携して環境負荷低減と防災対応力強化を図る計画です。
この3計画により計6棟もの高層ビルが建設され、内3棟は高さ240m~250m(六本木ヒルズ238m)クラスで、B計画が竣工する予定の2024年には、八重洲口は大変貌を遂げることとなります。

A計画 『八重洲二丁目1地区』

八重洲二丁目1地区
八重洲二丁目1地区(官邸資料より)

【計画地の位置】東京都中央区八重洲二丁目1番、2番の一部及び3番

【主要用途】事務所、店舗、ホテル、小学校、バスターミナル、交流施設、駐車場等

【敷地面積】約1,5000㎡

【延床面積】約316,000㎡

【階数/最高高さ】A-1:地上45階、地下4階(約245m) A-2:地上10階、地下4階(約50m) A-3:地上14階、地下4階(約70m)

【計画時期】着工2018年1月 竣工2021年4月予定

B計画 『八重洲一丁目6地区』

八重洲一丁目6地区
八重洲一丁目6地区(官邸資料より)

【計画地の位置】東京都中央区八重洲一丁目6番、7番、8番の一部及び9番

【主要用途】事務所、店舗、カンファレンス、医療施設、バスターミナル、駐車場等

【敷地面積】約11,900㎡

【延床面積】約24,000㎡

【階数/最高高さ】B-1:地上54階、地下4階(約250m) B-2:地上11階、地下3階(約45m)

【計画時期】着工2019年10月予定 竣工2024年3月予定

C計画 『八重洲二丁目中地区』

八重洲二丁目中地区
八重洲二丁目中地区(官邸資料より)

【計画地の位置】東京都中央区八重洲二丁目4番、5番、6番及び7番

【主要用途】事務所、店舗、住居、滞在施設(サービスアパートメント等)、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場等

【敷地面積】約19,500㎡

【延床面積】約418,000㎡

【階数/最高高さ】C-1:地上46階、地下4階(約240m)

【計画時期】着工2020年度予定 竣工2023年度予定

3. 大手町プレイス(ウエストタワー、イーストタワー)

大手町プレイス
大手町プレイス
大手町プレイス(外観パース)

「大手町プレイス」は、逓信総合博物館(ていぱーく)等跡地に建設され、大手町エリア最大規模のビジネスプレイスとなります。
都市再生緊急整備地域(大手町、丸の内、有楽町)の整備目標である「東京都心において我が国の顔として、歴史と文化を活かしたうるおいと風格ある街並みを形成しつつ、高次の業務機能とそれを支える高度な支援機能を備えた金融をはじめとする国際的な中枢業務・交流拠点を形成するとともに、商業・文化・交流などの多様な機能を導入することにより、にぎわいと回遊性のある都市空間を形成すること」の一翼を担う再開発を目的として、国内最高水準の情報通信基盤の整備(約6,000㎡のインターネットデータセンターを整備し、大手町・丸の内地区の情報通信基盤の高速化・大容量化に対応)、大手町地区の国際カンファレンス機能の強化(大手町エリア最大級となる約750㎡のホールを有し、国際会議等グローバルビジネスを展開する企業の多様なニーズにもフレキシブルに対応)、大手町地区の業務継続能力の向上を計り、うるおいのある快適な都市基盤を創出します。

【計画地の位置】東京都千代田区大手町二丁目1番17から34(地番)

【主要用途】事務所、店舗、カンファレンス、地域冷暖房施設、駐車場等

【敷地面積】約19,900㎡

【延床面積】約354,000㎡(ウエストタワー:約202,000㎡ イーストタワー:約152,000㎡)

【階数/最高高さ】ウエストタワー:地上35階、地下3階(約178m) イーストタワー:地上32階、地下3階(約163ⅿ)

【計画時期】着工2017年5月  竣工2018年8月(予定)

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4.  常盤橋街区再開発A棟(三菱地所、東京都下水道局)

常盤橋プロジェクト
常盤橋プロジェクトA棟
常盤橋プロジェクトA棟(外観パース)

東京駅日本橋口前にて開発中の「常盤橋街区再開発」においてA棟新築工事が着工しています。
竣工は2021年4月末を予定しており、地上40階、高さ212m、延床面積約146,000㎡のオフィス・店舗からなる複合ビルとなり、東京メトロ東西線「大手町」駅から直結予定です。
オフィス有効面積は約23,400坪、フロア面積は約780坪の無柱空間が確保され、ニーズに合わせたフレキシブルなレイアウトに対応可能となります。また、共用部にはオフィスワーカーの共用サービススペースが拡充整備され、特に3階では「働く」を支える毎日の「食」をテーマに、健康をサポートしながら、ランチタイム以外の就業者間のコミュニケーションを促進する共用カフェテリアや、イベント・ミーティングスペース等、新しいスタイルのワークプレイスが提供されます。さらに、生体認証による強固なセキュリティシステム導入のほか、共用カフェテリアでの生体認証決済システム、位置情報を活用した混雑緩和支援や就業者の身体状態に応じた行動支援(バイタルセンシング)など、時間の価値と自由度を高めるICTサービスを本格導入し、就業者専用サイトやモバイルアプリ等を活用した利便性の高いサービスが展開されます。
「常盤橋街区再開発」ではA棟のほかB棟・C棟・D棟の計4棟が建設され、2027年9月に全体街区が完成する予定です。
中でも、B棟は地上61階、高さ390mで日本一の高さとなり、大阪の「あべのハルカス」(高さ300ⅿ)を超え、世界中から人が集う“TOKYO”の新たなシンボルとなります。

5.  仮)OH-1計画(三井不動産、三井物産)

OH-1
OH-1
OH-1計画(三井不動産プレスリリースより)
OH-1(庭園部分)

東京都千代田区大手町1丁目に所在した三井物産ビル、大手町一丁目三井ビルディング、大手町パルビルを、2棟の超高層ビルに建て替える計画が2016年5月に着工しています。

延床面積は約36万㎡と都内でも有数の大型再開発プロジェクトで、最先端の機能を備えたオフィスに加え、ビジネスとエンターテイメント両方に対応した多目的ホール、国内最高級クラスのラグジュアリーホテルを設けています。また、「かるがも広場」として広く親しまれていたエリアを中心に約6千㎡の大規模緑地広場を備え、都心一等地にありながら、皇居の緑地と連なる緑豊かな空間が実現されます。

A棟:地上31階、地下5階、高さ160m

B棟:地上40階、地下5階、高さ200m

建物竣工は2020年2月末の予定です。

皇居に隣接するビジネス拠点・大手町に相応しい先進的かつ繊細な外装デザインと、国内最高水準の安全・安心を提供する機能が計画されており、大手町地区の業務継続機能を支える地域冷暖房供給施設のメインプラントを機能継続しながら更新し、浸水防止・耐震性能の強化を図るとともに、設備の効率化により年間約1,000t のCO2排出量削減を目指し、また最高水準の性能を誇る制震構造、自律性の高いエネルギーシステムが導入されます。

再開発プロジェクトのご紹介は以上となります。

新築オフィスビルは、大抵の場合、テナント募集を非公開で行っています。

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