オフィスのストレスを解消！オフィス環境の改善で従業員のストレスを軽減するために

オフィスで働く人の６割がストレスを感じているとの調査報告があります。

ストレスがたまると業務の生産性が低下するばかりでなく、ワーカーの健康に悪影響を及ぼし、離職率が高くなるリスクもあります。通勤時間・人間関係・オフィス環境など、ストレスとなる要因は人それぞれですが、優れたスキルや能力を持っていても、それを十分に発揮できる環境がなければ、生産性は半減してしまいます。ワーカーが最高のパフォーマンスで業務を遂行するためには、オフィス環境におけるストレス要因への対策が重要となります。

今回はオフィス環境においてストレスとなりやすい要因、軽減・解消方法をご紹介いたします。

ストレスとオフィスの関係

「パソコンに向かっていても作業に集中できない」「いつも肩こりや腰痛がある」「目が疲れやすい」といった症状が見られるならば、何らかのストレスを抱えている可能性があります。ストレスをそのままにしておくと作業効率も低下してしまいますし、企業の生産性に影響を与えてしまうこともあるでしょう。できるだけ早く解決するようにしなくてはいけません。

しかし、個人がリラクゼーションなどでいくらストレス解消をはかっても、また新しいストレスがすぐに発生してしまうようならば、もしかしたらオフィス環境そのものに問題があるのかもしれません。

1日の大半をオフィスで過ごす場合、その環境の良し悪しによって人に大きなストレスを与えてしまう可能性は少なくないのです。ストレスフリーな職場環境を整えるためにも、まずはストレスを与えやすいオフィス環境とはどのようなものなのか見てみましょう。

ストレスが業務に及ぼす影響

（1）業務効率の低下

過度なストレスは脳の処理能力を低下させるため、仕事に対するモチベーションや集中力が大幅に低下します。結果として、日常的な業務の作業効率や生産性を低下させてしまい、仕事でのケアレスミスが増えるなどのリスクも増えてしまいます。また会社全体の利益にダメージを与えるだけでなく、会社全体の雰囲気が悪くなり、多大な影響を及ぼすことになります。

（2）精神的な病気のリスクが高まる

ストレスが要因で引き起こされる精神的な病には、うつ病や適応障害、パニック障害、自律神経失調症などがあります。ストレスに対する耐性は人によって異なり、なおかつ精神的な病は目に見えませんので、一見大丈夫そうに見えても環境におけるストレスを感じている可能性は十分にあります。精神的な不調が改善されずに慢性化すると、身体面にも不調が現れ、ストレス状態の改善も含めて病気と向き合わなくてはならなくなります。

（3）離職率が上がる

オフィス環境が劣悪でストレスを感じるワーカーは、環境の良い新しい仕事を探して離職してしまう可能性が高くなります。ワーカーにとって快適な環境でストレスなく業務できるかどうかは重要な要素の一つです。

（4）コミュニケーションの低下

ストレスが慢性化すると、社内の人間関係も悪化しやすくなり、社内連絡や各部署との連携に支障をきたすリスクも高くなります。

オフィス環境によるストレスの要因

ストレスの要因として「業務量」「人間関係」「待遇」という場合も多いようですが、実は業務するオフィス環境という「ハード面」の方がストレスに与える影響が大きいとされています。ここではどのようなオフィス環境がストレスの要因となっているのかを挙げてみます。

（1）音

騒音や雑音が多すぎる環境では、音が気になって業務に集中できずストレスにつながります。また逆に、静かすぎて自分の話し声や作業音が他人に伝わるのが気になるという、プライバシー面での懸念もストレスの一因となることがあります。

（2）空調

室温や湿度が低すぎても高すぎても不快に感じ、ストレス要因となります。空調設備や換気設備を活用して、誰にとっても快適な室温や湿度をキープすることが大切です。

空調問題はオフィスでは永遠の課題かもしれません。当然ながら、人によって快適な温度には差があります。空調の吹き出し口に近い座席などは空調が強かったりします。

（3）視覚的プライバシー

オフィス環境でのストレスは、多くの場合、周囲からの「視線」に関連しています。上司や同僚からの絶え間ない視線や、PC作業中に画面をのぞき見られることは、不必要な緊張感を生み出し、ストレスの大きな原因となります。

従業員が常に上司や同僚の視線を意識することは、やましいことがなくても不安感やストレスを引き起こします。これは、作業に集中するのを妨げ、生産性の低下を招くことがあります。

パーソナルスペースの確保は、オフィスでの快適さと個人のプライバシーを保つ上で非常に重要です。理想的には、デスクの幅は少なくとも1.4m必要とされていますが、日本の多くのオフィスでは、1200mmや1100mmの狭いスペースが一般的です。このスペースの不足は、従業員にとってストレスを引き起こす主要な要因の一つです。

これらの問題への対応は、オフィス環境の改善と従業員のストレス軽減において重要な役割を果たします。パーソナルスペースの再考と視線に関する問題の解決は、快適で生産的な職場環境を実現するために不可欠です。

（4）オフィスの汚れ

オフィスの環境は従業員の日々のストレスに大きく影響します。特に、デスク周りやオフィス全体の不整理、ならびにトイレの状態がストレスの主な原因となることがあります。

書類や備品、その他の物品が乱雑に置かれているオフィスは、労働者のストレスを増加させます。また、掲示物が適切に取り扱われていない、あるいは適切に掃除されていないオフィスも同様にストレスの原因となり得ます。

また、トイレの設備と清潔さはオフィス環境の重要な部分です。理想的なトイレはシャワートイレや保温便座などの機能を備え、快適な使用体験を提供するものです。トイレのブース数や男女別トイレの有無、さらには清掃の頻度と質も、オフィスでの快適さに直結する重要な要素です。

これらの問題に対処することで、オフィス環境の改善に大きく貢献し、従業員のストレスを減少させることが可能になります。

（5）閉塞感

狭いスペースで業務していると、閉塞感を抱くようになりストレスを感じやすくなります。また狭いデスクで作業しなければならないこともストレスの要因となります。1人あたりが快適に働けるオフィスの広さは2～2.5坪程度、デスクの広さは1.4メートルほどと言われています。

ストレスを軽減・解消する方法

オフィス環境は従業員のストレスに大きな影響を与えます。以下に、ストレスを軽減するためにすぐにでも取り入れたい、オフィス環境の改善策をご紹介します。

プライバシーの確保

日本の多くのオフィスでは、パーソナルスペースの確保が難しいのが現状です。理想的なデスクの幅は約1.4mですが、これを実現するのは困難なこともあります。レイアウト変更やパーテーションの利用によって、個々のスペースを効果的に区分することが重要です。

空調設備の改善

人によって快適な温度は異なります。空調の吹き出し口に近い席では、空調が強く感じられることがあります。個別の空調管理や、エリアごとの温度調節が可能なシステムを導入することで、より快適な環境を作り出せます。

トイレの環境

シャワートイレや保温便座などの機能を備えたトイレは、従業員の快適性を高めます。また、トイレのブース数や清掃の実施頻度を増やすことで、清潔な環境を保つことができます。

BGMの導入

BGMにはリラックス効果があり、心地よいオフィス環境を作り出します。また、BGMは音のマスキング効果があり、他の雑音をカバーすることができます。

多様なワークスペースの提供

業務に応じて利用できる様々な種類の作業スペースを準備します。これにはプライベートスペースや共業スペース、リラックススペースなどが含まれます。

照明と換気の改善

照明の質や空調設備を見直し、より快適な光環境と空気環境を実現します。

清潔感の維持

定期的な清掃と整理整頓は、ストレス軽減に直接つながります。

まとめ

オフィス環境は、従業員のストレスに大きく影響を与え、それは単に「業務量」「人間関係」「待遇」に関連するものだけではありません。オフィス内の物理的な環境自体が、重要なストレス要因となり得ます。従業員が一日の大半を過ごすオフィスでの快適さは、生産性と満足度に直結するため、適切なレイアウト変更やリノベーションを通じて改善を図ることが重要です。しかし、これらの改善策だけでは限界がある場合、オフィスの移転も一つの解決策として検討する価値があります。

移転を検討する際には、現在のオフィス環境での主要なストレス要因を正確に把握し、それに基づいて新しいオフィスを選定することが重要です。社員の意見を反映させるためのアンケート実施も効果的です。予算や優先順位のバランスを考慮しつつ、より多くの従業員が快適に働ける環境を目指してください。

当社では、オフィス環境の改善や移転に関する総合的なサポートを提供しています。オフィスの改装や移転をご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。従業員がストレスなく働ける快適なオフィス環境の構築を、一緒に目指しましょう。