セットアップオフィスの選び方のコツ:選定のポイントと確認しておくべき注意点とは?

セットアップオフィスを選ぶ際、成功への鍵は適切な選定と明確なポイントの把握にあります。オフィス移転は企業にとって重要な段階であり、その過程で多くの決定を下さなければなりません。この記事では、セットアップオフィスの選び方と、その選定に必要な重要な項目に焦点を当てます。

適切なオフィスを見つけるためには、企業のニーズや将来の成長戦略にマッチするかどうかを確認する必要があります。また、賃料相場やエリアの選定、物件の設備やサービス内容など、検討すべきポイントは多岐にわたります。これらの情報を把握することで、オフィス選びのプロセスを効率化し、移転に関わるリスクを最小限に抑えることができます。さらに、セットアップオフィスの特徴や利点についても紹介します。

経営者や担当者の方々が、効果的なオフィス選びを行うためにぜひご一読ください。成功への近道は、正しい情報と着実な準備にあります。それでは、セットアップオフィスの選定に役立つ重要なポイントを探っていきましょう。

目次

セットアップオフィスとは?

セットアップオフィスとは、内装が完成しているオフィスを指します。費用は貸主側負担になるので、入居テナントは初期費用を大幅に削減できるというメリットがあります。特にスタートアップ企業や小規模事業者などレンタルオフィスやSOHOからの移転の際に人気なオフィスの選択肢になります。

セットアップオフィスと通常オフィスはどこが違う?

通常のオフィスとセットアップオフィスは、どちらも賃貸オフィスで外観やビルエントランス等に大きな違いはありません。異なるポイントは内装が完成しているかどうかです。通常のオフィスは、内装や間取りが決まっておらず「スケルトン」という状態で入居して、入居者が業者を手配して追加工事を行います。デザインを独自に設計するため、綿密な打ち合わせや設計費用が必要です。

一方、セットアップオフィスは、すでに出来上がっているおしゃれなデザイン・間取りの物件に入居するため、移転費用を抑えながら理想のオフィスを手に入れることができます。外観に惑わされず、内装に注目することが大切です。

では、次のセクションからは『実際にセットアップオフィスを探す際にチェックすべきポイント』を詳しく解説していきます。

セットアップオフィス選びのポイント ~基本情報・設備など~

セットアップオフィスを選定する際には、自社に必要な設備を確認することが重要です。「来客が多いか」「出社率はどのくらいか」「予算はどのくらいか」などあらゆる観点からミスマッチのないオフィスを選びましょう。

① 会議室の数

セットアップオフィスの広さは通常、30坪から50坪ほどで、一般的には会議室が1~2部屋設置されています。一部の物件では3部屋以上の会議室を用意している場合や、会議室が少なくてもファミレスブースやWEB会議ブース、テレフォンブースなどが設置されている場合もあります。会議室は必要に応じて増設できますが、元の状態に戻す原状回復が必要ですので、注意が必要です。それぞれの目的に合った適切な数の会議室を探すことが重要です。

② 執務エリアの想定席数

オフィスは1人あたり2~3坪想定で面積を決めるのが一般的です。最近では、従業員の総数ではなく、1日に実際にオフィスに出社する人数に基づいて席数を決める傾向が増えています。各オフィスごとに想定される席のレイアウト図が用意されており、それを参考にすることで確認できます。最新のトレンドでは、リフレッシュスペースを設けるケースが多く見られます。自社の働き方や出社率、フリーアドレスなどに合わせて検討してみましょう。

③ エリアと予算

セットアップオフィスの賃料は通常の賃貸物件と比較すると割高なケースが多いです。オフィスの場所は従業員やクライアントの利便性や周りの環境に影響します。予算については、設備や提供されるサービスとのバランスを考えながら、最適なオフィスを選ぶ必要があります。ただし、エリアに妥協すれば、割安な物件も見つかる場合がありますので、じっくりと探してみましょう。

セットアップオフィス選びのポイント ~サービス・契約条件など~

セットアップオフィスを選ぶ上で重要な基準としてもう一つ挙げられるのは、初期費用や契約条件についてです。敷金や保証金に関する条件を始め、普通借家契約と定期借家契約の違いや、引渡し状態、原状回復基準など契約に関する詳細な条件を比較し、最適なオフィスを選ぶようにしましょう。

① 敷金・保証金

セットアップオフィスでは、保証会社を利用することで「敷金・保証金」を削減できる物件がよく見られます。セットアップオフィスの貸主の多くは比較的リーシング方法に対して柔軟な考え方をしてくれる方が多い傾向にあります。初期費用を抑えたいニーズに応えるため、保証会社を使って敷金や保証金を減らせるかどうかを物件ごとに比較するのもオススメです。

② 契約形態

賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。普通借家契約では途中解約が可能ですが、定期借家契約では契約期間中は解約できません。たとえば「定期借家契約5年」の場合、途中解約すると残りの期間の賃料も支払わなければならないことがほとんどですので、ご注意ください。また、普通借家契約でも解約が禁止される期間がある場合があるので、契約内容をしっかり確認して比較しましょう。

③ 引渡し状態や什器の有無

セットアップオフィスの什器の有無は物件により異なります。一般的に多いのが、会議室の什器のみ設置されているというパターンです。この場合、執務エリアには什器が備わっていないため、自分たちで用意する必要があります。

しかし、最近は執務エリアやリフレッシュエリアにも什器が付属している【フルセットアップオフィス】も増えてきています。特に30坪前後の物件で多くみられ、レンタルオフィスやSOHOなどの小規模オフィスからの移転におすすめです。引渡し状態はオフィスによって、区画によっても異なってきますので、選定時に確認するようにしましょう。

④ 原状回復基準

セットアップオフィスでは、一般的に原状回復の基準が細かく設定されています。通常は床の張り替えや天井の塗装、壁のクロス張り替え、クリーニングなどが主な項目です。また、パーティションなどの設置物は貸主の所有物なので、基本的に撤去は必要ありません。ただし、什器を壊してしまった場合などは修理代を負担する必要があるので、ご注意ください。こちらも申込前に確認しておくことをおすすめします。

セットアップオフィス選びのポイント ~エリア・賃料など~

新しいオフィスを見つける過程は、多くの経営者にとって大きな決断です。そこで考えるべきポイントはエリアや賃料、そしてそのオフィスが事業の成功に寄与するかどうかです。

特に、ベンチャー企業やスタートアップ企業などの経営者にとっては、経済的な面でも慎重な判断が求められます。成長の兆しを感じている時期に、新たなオフィスへの移転を検討し始めることは、ますます重要になるかもしれません。そのような状況下で、適切なオフィスを見つけるためのポイントを探ってみましょう。

エリアの選定と注意点

セットアップオフィスの選定において重要なファクターの一つが、オフィスの所在地となります。以前は中央区や港区が主流でしたが、近年は千代田区、新宿区、渋谷区など、他の区でもセットアップオフィス化する物件が増加してきています。

中央区や港区に続いて、他のエリアでもセットアップオフィスが増えてきている理由の一つは、空室率の上昇です。コロナを経て、オフィスに対する需要の変化や働き方の多様化によって解約や縮小移転が増えたことをきっかけに、空室率が上昇傾向にありました。そのような状況を打破するために、様々なエリアのビルオーナーがセットアップ化に乗り出したのです。

よって、都内の主要エリアでセットアップオフィス物件を探したい場合、比較的容易に見つけることができるでしょう。

しかし、エリアを選ぶ際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。従業員やクライアントが利便性を感じる交通アクセスや、周辺環境の良さ、ランチや必要な施設(郵便局や銀行など)の利用ができるか、そして企業のイメージに合致しているかを考慮する必要があります。普通は、主要駅や駅に近いオフィスを選びがちですが、そのような便利な場所であるほど賃料が高騰します。入居しやすいオフィスを見つけるためには、妥協点を見つけることが重要です。

各エリアのオフィス市場の動向や需要予測も把握することが、理想的な場所選びには重要です。これらの情報を考慮に入れながら、最適なエリアを選定することが成功への第一歩と言えます。

賃料相場の把握と予算の最適化

セットアップオフィスの賃料は通常の賃貸オフィスよりも、一般的には3,000円/坪 ~5,000円/坪 程度高めに設定されていることが多いです。ただし、ビル全体のリニューアルが行われている場合はそれ以上のケースも見られます。ただ、基本的なオフィス家具や設備が整っているため、ランニングコストが抑えられる分、初期費用を大幅に抑えることができます。

一般的な賃料相場を把握することは重要ですが、エリアの検討を広げることで賃料を最適化できる可能性もあります。高グレードな物件であっても、エリアによっては競合物件との差別化や需要の変動によって賃料を抑えた物件も多く存在します。賃料相場を把握しつつも、予算を最適化するためにエリアの広範な調査が必要です。

オフィス移転を検討する際には、賃料相場の調査と同時に、自社の予算やニーズに合った最適なオフィスを見つけるためにエリアの幅を広げることがポイントとなります。

エリアセットアップオフィスの賃料相場(坪単価)
千代田区25,206円
港区27,960円
中央区22,045円
新宿区21,667円
渋谷区28,379円
セットアップオフィスの賃料相場(坪単価)※30坪以下オフィス対象(2023年時点) 当社調べ

【実践編】セットアップオフィスを探そう

事業の成長に伴いオフィスの移転を考え始めた方に向けて、セットアップオフィスの選び方の実践的な手順をご紹介します。

STEP
移転する目的を明確化する

オフィス移転における最も重要な指針は「なぜ移転するのか」という目的です。移転の目的は、エリアの選定から予算の設定までを決定づける要素になります。望ましいエリアや予算の範囲を決める際に必ず軸をぶらさないようにしましょう。

STEP
今後の働き方や将来的な会社像を決定する

出社・リモートの割合をどうするのか、人員計画はどうするのかなど数年先のイメージを明確化して、オフィス移転チームで共有するようにしておきましょう。会議室の数や設置されている什器の種類などを比較検討する際に重要な指針になります。

STEP
エリア・大まかな予算・必要な設備について検討する

移転目的や将来像などを踏まえて、エリア・予算等を決めていきます。従業員の通勤やアクセス、業界の特性などを考慮して、理想的なエリアや予算を見極めるようにしましょう。

STEP
自社に合うオフィスをセットアップオフィス検索サイトで検索してみる

検討中のエリアや予算設定に基づき、セットアップオフィスを探してみましょう。セットアップオフィス検索サイト「RAKNA」を活用して、気になる物件をピックアップしてみることができます。気になる物件があれば資料ではなく、実際に見に行くことがおすすめです。

この流れを踏まえ、オフィス移転の際に必要なステップを順を追って実践していきましょう。オフィス選びのポイントや確認すべき項目を整理して、よりスムーズで効果的な移転を実現しましょう。

まとめ

今回は、セットアップオフィスの探し方をポイントごとにまとめて解説いたしました。それぞれまとめてご紹介いたしましたが、正直「予算の選定やどこから手を付ければいいのか」そして「移転後のオフィスが自社に合っているのか」などイメージがわかない部分も多いと思います。そういった場合はまずお気軽にご相談ください。

セットアップオフィス検索サイト「RAKNA」をはじめ、多くのオフィス移転に関するサービスを運営する弊社が、エリア・予算の選定から、賃料相場の説明、さらには将来のビジョンに即したオフィスの提案まで、豊富な経験と専門知識を持ったスタッフがあなたの事業を支援いたします。私たちがオフィスの選定において、最適なソリューションをご提供できるよう全力を尽くします。

どんな些細な質問でも結構です。お気軽にご相談ください。ますます成長していく事業に合わせたオフィス探しを一緒に進めましょう。


まずはお気軽にお問い合わせください。


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この記事を書いた人

マーケティング事業部主任として、オフィス移転に関する専門知識を提供しております。映像制作の経験から転職し、オフィス移転の営業事務として入社し、その後、マーケティング事業部に異動いたしました。当サイトでは、オフィス移転についての基本から具体的な事例、賃料推移データなどをわかりやすく解説し、オフィス移転初心者の方々にとって有益な情報を提供することを目指しております。お読みいただいた記事が、オフィス移転に関する理解を深めるお手伝いになれば幸いです。