フロアダクトの種類

オフィスビルでの建築用語として2wayあるいは3wayという場合、それは、床面のコンクリート内に埋め込むフロアダクト(埋設配線管)のタイプを指します。2wayのフロアダクトであれば、電気配線用と電話配線用との2本のダクトが埋め込まれていて、3wayのフロアダクトであると、電気配線用と電話配線用さらにLAN配線用を加えた3本のダクトが埋め込まれています。

フロアダクトの形状

フロアダクトの形状は、一般的には断面が長方形で、鋼板を折り曲げた角ばった筒状に作られます。フロアダクトの分岐点では、ジャンクションボックスが用いられます。ケーブルの結線が必要な時は、フロアダクト内での結線は違法になりますので、ジャンクションボックス内で行います。床下から各ケーブルをオフィス内に取り出すには、取り出し口金具を設置します。取り出し口の金具は、特殊なものは別にして、一般的には斜め上に蓋が開閉するようになっていて、そこに電源、電話、あるいはLANのコンセントが設けられています。蓋を閉めればそれらのコンセントは床下に収納されます。

フロアダクトに配線するには

フロアダクトは、建築時のコンクリート敷設の段階でその位置が固定され、ダクト内にケーブルを通す時には、資格を保有した専門業者によって施工することになります。賃貸オフィスへの入居時や入居後オフィスでの机の位置換えなどでは、専門業者を呼んでの配線の入れ替えや部分的にモールによる床面突出の配線にするなどの対処が必要になることがあります。

フリーアクセスとの対比

フロアダクト方式は、床を二重床にするフリーアクセスフロアー方式と対比される関係にあり、それぞれに長所短所があります。フリーアクセスフロアー方式は、配線に自由度がある代わり、金庫などの重量物には重量制限があって、必ずしもいいことづくめではありません。フロアダクト方式は、室内レイアウトの変更時に、配線の自由度に制約があるものの、いざとなればモールなどで対処できますし、重量物の制限も特にありません。

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