段階賃料の仕組みと注意点

段階賃料とは、借り始めの賃料を安く設定し、その後段階を踏んで賃料を値上げしていくという新しい契約方法です。例えば、1年目は賃料を半額に設定し、2年目からは通常の賃料で契約を続けていきます。ただし、前提条件として2年以上の長期契約で、かつ途中退去できないなど、いくらか制約が課されます。途中解約してしまった場合、最初の1年分の賃料の差額分を違約金として払わなければならない、なんてこともあります。途中解約に関するペナルティは契約書に書いてあるので、契約する際に注意深く読んでおきましょう。また、長期的な契約を前提としているので、借りるオフィスや物件をしっかり把握し、後々困るような欠陥や破損がないかどうかをきちんと調べましょう。

一般の賃貸借契約との違い

一般的な賃貸オフィスでは、借り手の合意なしに途中で賃料が上げられる、なんてこともあります。しかし段階賃料では、契約書の中で賃料の値上げについて明記されているので、貸し手の一存で賃料が上げられるなんてことはありません。ただし、契約のときに必要な保証金に関しては、原則2年目以降の通常賃料から算出されるため、減額扱いにはならないという点に注意が必要です。いずれにしろ、必ず契約書にはしっかり目を通しておきましょう。

双方のメリット

これらのことを踏まえると、段階賃料は確実に途中で解約することがない、かつ長期的な契約を希望する方にとてもぴったりな契約方法です。同時に、貸し手も長期的に契約を結べるため、安定した収入を得ることができます。段階賃料は借り手、そして貸し手ともにメリットがある契約方法だと言えるでしょう。

段階賃料のポイント

できるだけ安くオフィスを借り、かつ1年目のコストを抑えたいというベンチャー企業の経営者などは、段階賃料での契約を検討してみるといいかもしれません。また、ずっと空室のままになっている物件があるという貸し手の方は、時々募集の条件を下げるというやり方ではなく、一度段階賃金でテナントを募集してみるのもいいのではないでしょうか。

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