フリーアクセスの施工方法

床の施工方法であるフリーアクセス方式は、床を二重床にすることで、床下に充分な配線スペースを確保し、そこに電気配線や電話配線さらにはLAN配線を自由に設置できるようにしたものです。
フリーアクセスフロアーの具体的な施工方法は、複数あります。代表的な工法の例を紹介しますと、モルタル床に碁盤目に区画した交点各所に金属製支柱を置き、その支柱を支えにしてパネルを敷き詰め、その上にタイルカーペットを敷き詰めます。各配線を床の上に取り出すには、必要箇所に取り出し口の金具を設置します。下駄を履かせて底上げし、底上げしてできた広々した空間を利用して、自由自在に配線する形です。支柱とパネルとが一体化した樹脂成形タイプなど、各種バリエーションがあります。

フリーアクセスが開発された背景

フリーアクセスフロアー方式は、フロアーダクト方式(2WAY、3WAYの2種類あり)の不便を解消するものとして考案されました。フロアーダクト方式では、床のモルタルにダクト(角型配線管)を埋め込むもので、配線できる位置が固定されました。この不便を解消したのがフリーアクセスフロアー方式です。

フリーアクセスの弱点

ただし、フリーアクセスフロアー方式ですと、支柱によって二重床が支えられる構造から重量制限があり、大型金庫などの重量物が置けない可能性があります。ある程度の重量物でも耐えられる二重床素材もありますので、どの程度の重量まで耐えられるかを事前に確認した方が良いこともあります。

フリーアクセスの利便性

オフィスのレイアウトを変更したり、賃貸オフィスの入居者が入れ替わる場合では、床下の配線も大幅に変更になるわけですが、フリーアクセスフロアーであると、その変更が容易です。具体的に言うと、床に敷き詰めたタイルカーペットは粘着剤で軽く固定しているだけですから、簡単に剥がせますし、簡単に元に戻せます。その下のパネルも基本的に置いているだけなので、簡単に取り外せ、簡単に元に戻せます。支柱はそのままにして、配線のケーブルを移動させ、取り出し口の金具を移動させるだけで済みます。床の上にモールを這わせるようなことは、殆ど必要ありません。

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